2025年8月20日、世界最大の電子機器受託製造企業である鴻海精密工業(Foxconn Technology Co., Ltd./以下FTC)が、temiロボットの開発元であるRobocore Technology Limited(以下Robocore)の完全子会社 RoboTemi Global Ltd. に対し、シリーズDラウンドとして最大3,000万米ドル(約44億円)の戦略的出資を行ったことが発表されました。

Robocore Technology のtemiロボットシリーズ
RoboTemi Globalのtemiロボットシリーズ(写真提供:HKSTP)

出資の概要

項目

内容

出資元

Foxconn Technology Co., Ltd.(鴻海精密工業)完全子会社 Q-Run Holdings Limited

出資先

RoboTemi Global Ltd.(Robocore Technology 完全子会社・イスラエル拠点)

ラウンド

シリーズD

総額

最大3,000万米ドル(約44億円)

初回投資

1,000万米ドル(優先株式取得・持分比率6.6%)

追加投資

1,000万米ドル × 2回(初回投資の1周年・2周年にオプション行使可能)

企業評価額

初回時点で約1億5,150万米ドル(約224億円)

発表日

2025年8月20日(香港)

Foxconnがサービスロボティクスに本格参入

今回の出資は、FTCがスマートロボティクス市場へ正式に参入する布石です。FTCは世界トップクラスの精密電子機器メーカーとして製造力とサプライチェーンを有しており、この強みをRobocoreのサービスロボット事業と融合させることで、スマート製造およびAIエコシステムの強化を図ります。

「今回の出資は単なる資金注入ではなく、当社の将来に対する確信の表明です。世界最高水準の製造・サプライチェーン能力を持つFTCと手を組むことで、成長を加速させ、新市場へ進出し、IPOというマイルストーンに向けて力強く前進できます」

Robocore Technology CEO Roy Lim 氏

temiの世界展開 ── 33カ国・約20,000拠点

香港サイエンスパークに本社を置くRobocoreは、オープンプラットフォーム型サービスロボティクスの世界的リーダーです。temiロボットは現在、33カ国・約20,000の顧客拠点に導入されています。

病院でのtemiロボット導入風景
病院での temi 導入風景(写真提供:HKSTP)

主な導入実績

分野

規模

米国内拠点

5,000拠点以上(病院・高齢者施設・小売チェーン・一般家庭)

高齢者施設(NY州)

200施設以上 ── 医師が遠隔診断を2分以内に完了、保険コスト削減に貢献

ホテル(4〜5つ星)

約50施設

大学・中高・小学校

1,300校

スマートビル・商業施設

100棟以上

開発パートナー(SIer)

2,000社

今後の成長戦略 ── 2028年売上5倍・IPOへ

FTCの戦略的・製造面での支援により、Robocoreは今後3年間で売上3倍、2028年までに5倍の成長を見込んでいます。成長の原動力は、米国・欧州・アジアでの急速な事業拡大です。Robocoreは5年以内にIPOプロセスを開始し、世界で最も成長速度の速いサービスロボティクス企業の一つとなることを目指しています。

今回の調達資金は主に以下の3分野に充当されます。

  • 米国・欧州・日本での遠隔医療(テレメディシン)事業の強化
  • 中国本土向けコンシューマー市場への新製品投入
  • グローバルなセールス&マーケティング体制の拡充

日本市場での展開

日本ではhapi-robo st(ハピロボ)がtemiの国内総代理店として、医療・介護・ホスピタリティ・教育・商業施設など幅広い分野でtemiの導入を推進しています。今回のFTCによる戦略出資は、日本を含むアジア市場での遠隔医療事業の加速にも直結するものです。

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